12/04にリリースされた、RocketWerkzが開発中のミッション型PvEサバイバルゲーム、Icarusを50時間くらいあそんだので長文レビューをしていきます。
総合的にはお勧めの部類ですがアラは目立ちます。
steamへのリンク store.steampowered.com
どんなゲーム
このゲームは、リアル時間で数日~という時間制限の中で、裸の状態でスポーンし、準備を整えてミッションを達成し帰還するゲームです。
ゲームの流れとしては
- 裸の状態で大地に降りたつ
- 道具系や武器、拠点などを用意する(クラフト要素)
- ミッションを攻略する
- 経験値以外の全てを捨てて宇宙へ帰る
という一連の流れを何度も繰り返すゲームです。
ミッション開始時に毎回(僅かに持ち込みも可能だが)裸でスタートするため、まずは石と繊維と棒拾ってピッケルを作る、という行為を何回も繰り返します。
また、一部収集品を除いた全ての物資をクリア時に放棄して離脱するという特徴により、キャラクターの強化が非常にやり辛いのも特徴です。
敵
このゲームは対人要素の無いPvEゲームであり、敵はテラフォーミングに失敗して暴れ散らかしている惑星の自然環境そのものとなります。
具体的には
- いきなり吹いてくる砂嵐、ブリザード、台風
- いきなり落ちてくる雷
- いきなり襲ってくるクマや狼
となっています。対人がない分これらのパワーは非常に強烈で、特にクマとブリザードには慣れないうちは何度も殺されるでしょう。
参考:ミッションクリア時に残るもの
- キャラクターが得た全ての経験値、レベル、スキル
- ミッション報酬(通貨)と特定の収集品
- 持ち込み装備品
- ミッション報酬の通貨を利用して解放、購入し持ち込む。失ったり消費した場合は戻らない
レビュー
クラフト体系としてはARKとValheimを混ぜたような、いわゆる履修済みのシステムとなっていて、ピッケルで石掘り、斧で木切って、藁や木の壁で家を作っていく。
ARKやValheimを履修済みなら特にチュートリアルが無くても困らないだろう。焚火は火をつけた後に中に肉を放り込むと勝手に焼ける。
クラフトシステムはあるがクラフトゲームではない
まずシステム面で勘違いされまくりそうなので断っておくと、このゲームはクラフトゲームではなくミッション型サバイバルゲームである。
ゲームクリア時にほぼ全ての物を失う性質上、拠点をイケメンに作り込む理由がない。寝てクラフトする場所の確保が出来ればいいので基本は豆腐ハウスであり、最後には
すべてを捨てるためクソデカ拠点に山ほど箱を置いて資源を貯めこむ必要もない。
このゲームは貧弱な人間が自然環境に放り込まれ、襲い来るクマや嵐をクラフトシステムを用いて耐えしのぐゲームである。
時間制限と拠点放棄のシステムは、エンドラを倒す目的を忘れ、無限にビルドクラフト収集し始め最終的にダレるといったことをシステムで防げているが、これは良し悪し両方機能する。
良くも悪くもサンドボックス、ビルド建築クラフトゲーに見えるがそうではないため、そういったゲームを期待している人はおとなしくARKやValheimをやったほうが良いと思われる。
よくできたグラフィックと自然災害のシステム
一部山にアヤシイ当たり判定などはあるが全体的に景観や環境は良くできている。
- 落雷やたいまつなどで木が燃えて、他の木などに延焼する
- 強風で木が倒されることがある(そして家や人に直撃する)
- ブリザード下では屋根に雪が積もって屋根がぶっ壊れ、積もった雪が家に入ってくる
など、自然の驚異にまつわるメカニズムは用意周到に、あの手この手でプレイヤーを苦しめてくる。
建物が嵐で高速劣化する分建築判定は結構甘めにできていて、スロープを崖にくっつけて建設していくだけでもかなりの高度まで上がることが出来る。文字通りマップをビルドシステムで踏破できるというわけだ。
現地調達による脅威の克服
ミッション開始時にピッケルや弓、栄養食などを持ち込めるが研究コストがそれなりに高く、少なくとも数十時間やった程度では費用対効果が悪い。
基本的には裸で降り、現地調達で装備を整えていくことになる。ピッケル -> 斧 -> 弓槍たいまつ、を素早くそろえ、目的地へ向かいながら食料と寝床の目星をつけていく。
バイオームによって資材の偏りがあるので、それも考慮が必要になる。場合によっては仮拠点を別バイオームに建設し、ある程度稼いでから遠征する必要もあるだろう。
他にも
- 岩をくり抜いてその中に入るとシェルターとして機能し、嵐をやり過ごせる
- 食べ物を調理して食べることで最大3つまでバフを得ることが出来る(もろValheim)
- その気になれば洞窟の中に住むこともできる
など、環境を利用することで脅威を克服するメカニズムはいくつも用意されている。まあこれらを使っても(主にクマが)厳しいときもあるだろうがミッション達成のため頑張ろう
微妙な拠点建築要素と高レベルクラフト
現状(37レべ)時点の話になる。
- ソロでもミッションが数時間以内で終わる
- ミッション中は2~3か所の離れた土地を移動し続ける
- デカい拠点よりリスポーン地点となる寝床を各所に作るスタイルになる
- すぐ移動するので時間のかかる料理や農業要素が死んでいる
- ロングボウと槍だけで全ての敵に対処できている
- 鉄を見つけるのが非常にダルイ
等の理由で、中後半のクラフト要素を全く使っていない。
同じ理由で、リアルで数日、という時間制限も個人的にそこまで機能していないと感じる。(その前に終わる)
ショットガンなどの銃器も作れるようになるのだが大体その前に終わるし、カボチャを植えても育ち切る前に次の場所へ移動することになる。
凝った拠点や装飾用の明かりなども作れるようになるのだが大体ポイントの無駄になるので、37レベルにして生活はいまだにほぼ原始生活である。
これは是非
- 豆腐ハウスだと風の影響を受けやすくなるなど、豆腐以外の家へのインセンティブ
- 時間制限がタイトになるか、より強力で弓では太刀打ちできない敵が出てくる
- ミッションが大量の納品系になり、攻略に時間がかかるようになる
といった要素の登場が待たれる。現状だと大体弓で最後まで行けてしまうらしい。
総評
ミッション型のゲームとして、クラフトシステムを使って環境に耐えていく、というコンセプトは非常によくできている。
スキルポイントシステム、後半のクラフト要素など、現状のゲームとかみ合ってない要素もいくつかあるが、今後のバランス調整に期待が持てる。
皆さんも、無限クラフト地獄でダレてきたな……と感じたら、この殺伐とした惑星に足を踏み入れてみるのも一興ではないだろうか。
高難易度ミッションは後々発売されるDLCに収録されるのではと思っています。ハマったら買いましょう。
後一応、時間制限なし、肉食獣無しの世界で好きにクラフトできる前哨というモードがあります。建築欲が溜まったり戦いに疲れたりしたら、ここでのんびりビルドしたり農業したりもまた一興です。
おまけ:Q&Aコーナー
研究順序は?
ピッケルは一番安い物だけ解放して持ち込むと序盤の数分がすごく早くなる。非常におススメ。斧もあってもいいけどピッケルあればすぐ作れます。
あとは順当に服と加速モジュールを開放するくらいでいいと思う。食い物は費用対効果が微妙(バフは1時間くらい持つが)で、水筒は(長期滞在には便利だが)持て余す。酸素ボンベも長期活動に極めて有用だが、都度オキサイド補給で問題ないし、ボンベに供給するにはオキサイド分解機が必要になる。
持ち込んだピッケルは修理できないが持って帰ると全回復するので、適当に石を掘ったらドロップシップにピッケルを投げ込んでおくようにすれば無くす心配がない。
各バイオームの特徴は?
現時点で遭遇した物。
森
色々な資源が豊富に取れるが視界が悪く、オオカミやクマに不意の接近を許しがち。ベリーやスイカが取れるので適当に走っても餓死の心配は少ない。
動物が弱めなので経験値がウマくないが序盤はここで操作に慣れる必要がある。
極寒
石や酸素以外殆ど資源がないがミッションで良く行かされる。革袋や水筒があれば氷を解かすことで水は豊富に確保できる。
大正義ホッキョクグマの縄張りで川がないので処置できないならステルス移動推奨。あとスノーウルフが6匹くらい集団で襲ってくることがある。大体しぬ。
総じて危険なので稼ぎ目的でない限り定住には向かないだろう。
砂漠
Icarusのオアシス。聖母のような慈愛に満ちた環境。クマが出ない、動物が弱くて経験値が激ウマい、繊維以外の必要な資源大体とれる。
殺風景なのが玉に瑕だが、これは視界が非常に良いことも意味し、猪やジャッカルの不意打ちを回避、一方的な狙撃ゲーを展開出来てメチャ安全。川やオアシスが点在するので意外と水は取れる。
生活するには何も困らないが、薬草など薬の材料になる草やベリー系は手に入らない事が殆ど。
定住して一生ここでレベル上げしたい。
リバーウェイ
ほぼ森と同じだが川と崖だらけで高低差が多く、目的地への移動がかなり大変。クマや狼がワンサカでてくるが川が多いので処理しやすい。
砂漠の殺風景さに辟易しているのであれば、落下死に気を付けて川辺に住むのも一興である。
オススメバイオームは?
圧倒的に砂漠がおススメである。理由はクマが出ないことに尽きる。
特に最初に行ける砂漠は肉食獣の経験値が非常においしい(2000~3000 + 解体で700くらいもらえる)うえに猪以外は原始弓でステルスヘッショワンパンできるためガンガンレベルが上がる。
砂漠ミッション死なないで終わらせると大体5レベルくらい上がってます。ジャッカル、クーガーなどは見つけ次第狩りつくしましょう。放っておくと群れて襲ってきて危険です。
猪がややダルイですがロングボウか骨矢があれば2発以内に倒せます。
水は意外と豊富ですが繊維が枯渇気味なので、骨の鎌を作れるようにしておくと安定します。正直ずっと砂漠にいたい。川辺に定住すれば一生レベラゲできます。
クマに一方的にころされるのだが?
ぶっちゃけ人間が柔らかいため、クマはきついです。通常のクマなら3~4発、ホッキョクグマ相手なら2発も受ければ死にます。慣れないうちはあっという間に食い殺されるでしょう。
クマは崖踏破能力が高く、高台から弓でぶち抜くとマリオみてえなダッシュで登ってきて食い殺されます。
誰でもできる対策としては水に入ることです。大抵の野生生物は泳ぎが下手なので、後ろに下がりながら殴るなり撃つなりしていれば倒せます。頭を狙いましょう。(クリティカル判定になる)
そのほか、不意に森で出会ってしまった場合などは、すれ違い法が有効です。クマは突進中に向きを変えれないため一発ぶち当ててすれ違い、後ろを向いてまた当ててすれ違う、を繰り返すことで安定して倒せます。
このゲームをやっていると大体クマにヘイトが溜まると思います。安定してタイマンできれば皮の供給源になるので、是非体を鍛えてクマスレイヤーになりましょう。
毛皮が手に入らなくて寝床が作れない
ナイフによる解体は経験値が多くもらえますが資源量が少なめです。道中の狩りで足りないと感じたら拠点を早めに作り、かわはぎ台を作ってしまったほうがいいでしょう。