赤いセガ信者のぶろぐ

長文でゲームのレビューを書くことが多いです。qiitaにもtwitterにもfacebookにも書きにくい記事はここ。

ここは告知欄

テクテクテクテクに思うこと

注意書き

9割愚痴です。

はじめに

あまりこのブログの読者とは関係ないかもしれないが、テクテクテクテクというゲームがある。

www.teku4.jp

メチャクチャ金をかけて作られたゲームだが、半年を待たずにクローズするに至った。
ぬりゲーという側面、RPGとしての側面、課金設計の点からそれぞれ思うことをただ書いていく。

歩いて塗る、位置ゲーとしての側面

非常によくできていた。
歩いて塗って陣地が広がっていく感が非常によく出ていた。

良かった点

歩いて塗る、という点においては便利だった。自分の陣地を広げていく感がよく出ている。
一定の区間を全て塗りつぶすとボーナスが得られる、というのも、普段行かないところに行ったりするので現実世界でいろいろな発見があって良かった。

悪かった点

塗るツールとしてあまりにも便利すぎた。その象徴が、歩かずとも家から濡れるとなり塗り機能。
コストを支払うことですでに塗った地点の隣を塗ることができるというもの。
コストのスケールが明らかにおかしく、相当の範囲をこれだけ塗り続けることができる。効率を求めていくにつれ、ぽちぽち家から塗るだけになっていき、現地へいく必要がなくなってしまった。

歩きながら予約だけしておき、あとで家に帰ってから塗る「予約塗り」も劇的に便利であった。タクシーや電車に乗りながら画面を眺めているだけで良い。
塗りコンプリートした区から資源が産出するのだが、その回収は1ボタンで全国全てから回収でき、しかも30日分ストックできるため毎日押す必要すらない。他のスマホゲーに例えると、成長によってスケールするデイリーログインボーナスが30日分ストックできて一括で取得できる

これらはいずれも、有料で解放される機能クラスの超絶便利機能であった。
塗るためのコストを30日分まとめて回収できるため、30日に一回ログインし、コストを回収してその分だけ隣塗りをすれば算出する資源を増やせる。
塗るためのツールとしてあまりにも完成度が高すぎたため、この機能に課金する必要が一切なかったのがある種最大の欠点といえよう。

RPGとしての側面

クソゴミ。素人に作らせたとしか思えない未完成品。
ありとあらゆる面で、非常によくできた塗りツールの良さを悉く破壊する要素が満載

良かった点

アプリストアにおいてゲームカテゴリに入ることを可能にした。

悪かった点

多すぎるので個別に述べる

世界観がない

VTuberや人気クソアニメとのコラボを前面に押し出したカオスな世界観は擁護不能のうんこ。
現代日本が舞台、敵キャラはまるっこいデフォルメされたデザイン、武器は剣と盾と鎧、魔法名は擬音で、アクセサリーはお守り、ゴーグル、卵など何でもあり。
一切の統一感がなく、デザイン上の違和感もすごく全くちぐはぐであった。

アイドルや格闘家だって、グ○ブルやパズ○ラにコラボ出演するときは絵柄や頭身を揃える。つまりそれなりに世界に溶け込もうと努力している。
世界観がカオスなのと、世界観がないのとは違う。バカか。せめて衣装くらい着替えさせろと思ったが、その着替えさせる衣装はなんだと聞かれるとわからない。つまり、設定が無なのである。

演出がクソかつ飛ばせない

マップをポチポチ塗っているとき、テクテクはもっとも楽しいのだが、レベルアップや宝箱解放などでいちいち演出が入りそれが中断されてしまう。
極めて不愉快であり、これだけで製作陣はまともに隣塗りしてないことは明白。
気持ちいい行為を中断させるな。この演出スキップに課金できるなら喜んでするレベルのゴミ。

ランクシステムとボスが粗悪

極めつけはボス演出。塗った面積によって上がるランクが一定になる度にボスが現れるのだが、その時の演出が

  • 画面がグラグラと揺れる
  • マップが現在地点からどんどん遠ざかる
  • 日本地図が表示され、47都道府県どこかの名所へガクガク移動する
  • その土地にちなんだボスが現れる

という演出が入る。数十秒に渡って僕の大事な塗りタイムが阻害される。さらにマップはそのボスの地点のママであるため、塗りを再開するには地図を頑張って自分の現在位置まで戻さなければいけない。アホの極みである。
さらにさらに、ボスを倒さないとランクアップできなくなる。ボスはかなり強いので、積極的に雑魚と戦ってレベルを上げなければならない。

これだけでも十分に問題だが、最強に問題なのがランクアップ報酬がしょぼいこと。結果的にこのボス演出を避けるためには、どこかにボスを出現させてそのまま放置する、となる。
この方式には他にもメリットがあり、ランクアップもしなくなるためいくら塗ってもランクアップ演出で塗りが中断されなくなる。ブラボー。
これを極めると宝箱があるエリアも塗らなくなる。宝箱演出もクソだからである。

戦闘システムがクソ

  • 敵を倒しきればHPが全回復するシステム
  • 死ぬとHP1で復活するシステム

この二つが同時に存在するため、全滅したらとりあえず手頃な雑魚敵を瞬殺してHP全回復。戦闘は指を酷使して敵を切りまくるスタイリッシュ突き指アクション。
デスペナなんもなし。
レベルを上げてもほとんど強くならないため装備の性能が重要。そしてレベルアップ演出。
塗りを極めようとした場合、最終的にモンスターと全く戦わなくなるのは至極当然である。

課金面

ゴミ。おそらく製作陣はゲームにじゃぶじゃぶ課金する、という行為を行ったことがないのだろう。
もしくは悪意があり、ドワンゴを転覆させるために稼ぐ気が無かったか。

そもそも課金とは本質的には買う行為であり、以下のようなメリットを購入させることが多い。

  • キャラや自分のチームがかっこよくなる(アバター課金)
  • 復活できるなど、ゲームの攻略が有利になる(プレミアムオプション)
  • 無課金より強くなる、無課金より攻略が優位になる(Pay2Win)
  • 無課金より短時間で強くなる、短時間で攻略できる(時間の購入)

テクテクで買った石が何に使えるか

  • 戦闘で負けた時のコンテニュー
  • 宝箱高速解錠
  • となり塗り

コンテニューについて。デスペナはないので、大ボス相手に使ったアイテム分の損失を防ぎ、無理やり突破することができる。
ランクボスを倒さないとランクアップがロックされる仕組みなので、ランクを上げたい場合は金の力で殴ることも可能。
宝箱は時間で解錠できるが、鍵か石で瞬時に開けることができる。モンスタードロップ以外の箱がゴミかつ、塗りに有益なアイテムがほとんどなかったため無用の長物。

隣塗りのリソースは塗りコンプリートに応じてどんどん湧いてくるようになる&石を使ってまで塗る必要が一切なかった。
結果的に、クソゲーRPGをプレイせず塗ってるだけの人間で課金した人はほとんどいなかったのではないかと思う。現地塗りの範囲を広げるスプレーとかあるけど、徒歩で行ける範囲しか伸びない。電車とかでは有用。

その他課金要素

初期アバターのコラボぶりから察するに、アバター課金もする想定だったはずである。テクテクのアバターは、地図をある程度ズームした時と、ステータスを見る時に確認できる。

マップを引いてガシガシ塗ってる時と、戦ってる時にアバターが見えないのがしんどい。
なんか頑張っていい感じの写真撮る機能があるんだけど、そこでも見れなかったはず。どうして?
せっかくかっこよく着飾った自キャラなんだから、もっと見せてやってくれ。ポキモンは自分のしもべと敵両方見えるよね?

無理やりまとめ

テクテクに関していろいろなことがあって長いポエムを書いてしまった。かなり長くなるのでここらで無理やり止めよう。
塗るツールとしては本当に優秀だったので、地図データを使って実用に振り切った、買い切りのアプリを出して欲しいと思った。買うので。

プロダクトを作る人間として、色々な学びがあった。

  • ドッグフーディングは大事
  • 金儲けを考えない奴は黙って一人でサーバー使わないフリーゲームでも作ってろ
  • 優秀なツールとゴミを混ぜ合わせるとゴミになる
  • 世界観は大事

本当に、製作陣が設定したペルソナは何に課金して、それでどうやって儲ける想定だったのか、教えて欲しい。

ここはフッター