2月に発売され、全世界の初心者も熟練者もブッ倒されまくっている期待の死にゲー、ARPG、ELDEN RING(エルデンリング)を1周してまいりましたのでレビューしていきます。
概要
本作はフロムソフトウェア開発、ソウルシリーズの系譜を継ぐ「死に覚えゲー」と昨今流行りのオープンワールドRPGが接ぎ木によって融合したしたバトル特化オープンワールドアクションRPGである。
本編ストーリーに関わらない大量のサブイベ、隠しイベ、ダンジョンなどが過去作以上に散りばめられており、広大なマップを手探りで探索して行く感は最高である。
五季折々(春、夏、秋、狂気、冬)の模様を魅せるフィールドや遠景の美しさも目を見張るものがあり、(時には同じ道を泣きながら何度も)広いフィールドを馬に乗って駆け抜ける感覚は過去作にはない。
プレイ体験の殆どは過去作最高の出来であり正統進化系とも呼べる。以下で良かった点や悪かった点などを書いていこうと思う。
ご注意
- 以下の記事では一部ボスの名前を出したりシステム面に言及したりとややネタバレを含みます
- 筆者はオーラ纏う赤霊になったりトロコンしたりとそこそこ過去作に染まった人間です
- 筆者は攻略サイト無しで一周した為、攻略が楽になる一部アイテムを取り逃すなどしています
目次
良かった点
美しいグラフィック
遠景を含めた景色は非常に美しかった。今作は道中特に広い場所を突っ走る事が多いので様々な景色を堪能できる。
無駄をそぎ落としたオープンワールド
フィールドにNPCが殆ど敵と野生生物しかおらず、明確なクエストもないため、本作は戦っていれば話が進んでいくので簡単である。(戦いが簡単とは言っていない)
戦いに次ぐ戦い、死が死を呼び即死の涙で枕を濡らす、戦闘に特化したオープンワールドなのだ。
そのため、とにかく戦いてぇ! という戦闘民族であれば納得の内容である一方、クラフトは必要最小限、料理、建築、テイムなど昨今ありがちな要素の悉くは完全に排除されているため色々なことをしたいプレイヤーにはあまりお勧めできない内容になっている。本作は冒険して戦って死ぬことしかできないゲームである。
進化したUIやゲーム体験
UIについては良くない点もあるが
- シンプルで非戦闘中は隠れてくれるUI
- 四つのショトカ含むアイテムポーチシステム
- ワールドマップと早期解放のファストトラベル
- ある程度、進むべき方向を示唆する祝福の導き
- 非戦闘中はスタミナ無限
など、システム面で正統進化したなと思われる点も多い。過去からの研鑽が伺える。
戦闘面でもジャンプが任意にできて、ジャンプ攻撃がブンブンし放題だったり、大ボスの攻撃を何回かパリィして体幹を崩して忍殺致命を何回も決めるなど、過去作から持ってこられたシステムの集大成ともいえる。
武器種縛りはあるものの二刀流が復活しており、チェインがなさそうな今作では脳筋ビルドの最終回答は特大武器二刀流ジャンプアタックであろうことは想像に難くない。なぜなら、戦いの中で筆者がそのように進化したからである。
恐らく過去最高難度のボス達
戦闘、探索におけるUIは初心者にもやさしいが、難易度は全く優しくない。
特に過去との違いとして
- 執拗なエスト潰し
- 連携中のディレイ
- 被弾直後の先行入力中ロリ二回のスキにちょうど刺さるタメ攻撃
- 反撃誘発反撃
- スキが多い攻撃をしたと見せかけ、こちらが反撃しようと近づいたときに素早く反撃してくることがある
- 重装でも1~2パン圏内の火力
- 過去作感覚でレベル50とかやってると大体ワンパン
- 中盾の心もとなさ
- 一瞬でスタミナが消し飛びのけぞる。被弾したほうがマシだったというシチュ多し
- ロリではなくダッシュやジャンプが正解の範囲攻撃
といったものを感じた。過去作が体に染みついている亡者達にとっては過去を捨てるいい機会ともいえる。過去の手癖を矯正していく必要があるだろう。
もちろん、こういった悪魔の所業は初心者にも平等に襲い掛かり、その自尊心を精神ごと叩き潰してくる。
折れない心と戦いの中で学び強くなる力だけが頼れる武器となる。
また本作はオープンワールドARPGであり、序~中盤は探索やレベラゲの恩恵が大きい。
そのため「ムリだ、オラには倒せねえ……」と感じたら一時撤退して修行したり用意された救済措置(白霊、エンチャ道具、武器等)を見つけて遠慮なく利用するべきだろう。
まあとにかくマルギット(最初のボス)がツエェ。二時間かかった。探索不足感もあった。
探索による恩恵
ストーリーライン上は必要のないダンジョンが大量にあるが、これらの殆どはストーリーの攻略を確実に助ける報酬をもたらす。
具体的には、マップに点在する坑道を潰すことで武器強化素材の大量入手と素材の無限販売解禁がされる、などがいい例になる。
ツエエ武器、ツエエ魔法や戦技の一部もダンジョンや廃墟の中で転がってたりする。この辺は過去作でもそういったことが良くあるのだが、今作は移動可能範囲が広く、大量のダンジョンを探すところから始まるわけである。マップを片手に汝探索すべし。
余りにもマップが広すぎるのだが、マップで廃墟やダンジョンがありそうなところにはあらかじめイラストが描かれており、近寄ると名前が表示され、アイコンも追加されて空振りではないことが示唆される。なので存分にマップを拡大し怪しいところに突撃してよい。
騎乗
騎馬攻撃は圧倒的なパワーと優越感を存分に与えてくれる。高速移動攻撃で雑魚を辻斬りしながら目的地に移動するのが楽しい。
乗っている間は重量関係ないので存分に特大武器を振り回してほしい。筋肉は全てを解決する。一部スペルも乗ったまま使える。
一部ボスは乗ったまま戦えるので、史実に従って機道戦を仕掛けるのも一興。油断すると落馬して死ぬのでご注意ください。
単純でわかりやすく報酬のあるサイドクエスト
サイドクエストの量は豊富で
- どこかにいるクッソ強い敵をブッ倒しなさい
- あの場所にいるクッソ強い敵をブッ倒しなさい
- このダンジョンの奥で宝を守っているクッソ強い敵をブッ倒しなさい
- かつて倒した強敵がタッグを組んで襲ってくるのでブッ倒しなさい
- 道中ボス並みに強い敵を置いておくのでステルスでスルーするかブッ倒しなさい
と非常にわかりやすく、とにかく見敵必殺の精神で進めていけばよい。
まあ、バリエーションは皆無(要はボス倒してきなさい)なのだが、(褪せ人なのに)ソウルシリーズに染まった亡者達はクソボスや青白共との死に覚えゲーをするために死なず半兵衛*1となってここにいるわけであるから、戦えと命令されるのであれば望むところである。
従って自分を殺してくれるボスがまだいてくれることが至上の喜びであり、サイドダンジョンを漁る大きなモチベとなるのである。
アイテムクラフト
非戦闘中はアイテムクラフトでツボや矢、苔玉などを自力供給可能。
筆者は筋バサだったので殆ど使わなかったが、それでも投げナイフ作成は全編を通じてお世話になった。
素材は大体フィールド上で採取、狩猟を行うことで確保する。オープンワールド要素を上手くソウルシリーズに持ち込んだ点といえる。
逆に言うと筆者は投げナイフと赤苔玉ぐらいしか使わなかったので、無くてもパワーで進行できる。救済措置としても機能しうるので難しいと感じたら遠慮なくクラフトに勤しんでほしい。
悪かった点
オンライン周りの変更
今作は消費アイテムを使わない限り白サインを見ることが出来ない。つまり消費アイテム無しではホストとしてオンライン協力プレイが出来ない。
消費アイテムは一応、かなり安いコストでクラフトできるしそこそこの頻度で入手するが、使わなければ白サインは見えない。
また、難易度上昇アイテムをホストが使わない限り協力プレイをしていないところには侵入できない。
従ってソロ進行している限りは誰にも会わず、誰にも侵入されない。
これはかなり議論のあるところだが
- ソロ進行してて侵入されるかどうかの緊張感
- 入り口やボス前で偶然サインを見つけ「おっ、おるやん! 呼んだろ!」みたいな偶然の出会い
といった過去作特有のオンライン要素はかなり失われた。呼ぶ意思がない限りは見ることすらできなくなった、ということである。
侵入については是非あると思う。赤側の人間としては、ソロ侵入はモブの分だけ赤が有利なのでまあ、白が居てもいいんじゃないかとは思う。
クソマップ、某二人組ボス
単純に時間がかかる水増しマップや、一人では割とどうにもならないクソボス二人組がやや散見される。
本作は遺灰というシステムにより、ボス戦ではソロでも好きなモブ(狼やアーチャーなどから選べる)を召喚できるが、それ前提の難易度の者が多い。
筆者的にはボス戦は
- 兎に角死にながら行動を覚える
- じっくり回避を続けスキを見つけて攻撃を叩き込む
- また相手のターンになるので攻撃をかわしてスキを見つける
を繰り返すことを望んでおり、いくらでも長期戦したいと考えている。しかし二人組がやってくるとボーナスモーションに反撃を叩き込もうとしてもう片方に潰されたりするため非常にストレスフルである。
立ち回って分断しようにも、本作のボスは大体エスト狩り手段 = 遠間からの攻撃手段をもっているため普通に1vs2の状況となってダルイ。
従ってソロの場合でも、遺灰を囮にしてボスを分断するという戦略は重要であり、それなしは相当キツイバランスとなっている。
必須ボスではないが、三人組もいるゾ!
オマケ: 個人的使える遺灰
写し身
間違いなくバランスブレイカー。自身の装備をコピーしてもう一人召喚する。呪文も使うしポーチのアイテム(火炎壺など)も投げるし何よりエストも飲むので場持ちがよく、囮兼火力として比類なき力を発揮する。遺灰強化以外に自分の装備が強くなることでも強化されるため最強。
ティシー
バランスブレイカーその2。ボスの攻撃に反応してステップする高い機動力、一部ボス(具体的にはマレニア)を吹っ飛ばしダウンや叩きつけダウンさせる攻撃、DoT付きの遠距離攻撃、といった圧倒的な性能を持ち、何より火力がアホみたいに高いためタイマンを見守っているだけでも大体のボスをかなりのところまで削ってしまう。
民兵スケルトン
骨を二体召喚。正直弱いのだが倒されてもトドメ(死体をもう一度殴る事)さえ回避できれば何度でも蘇る。序盤のデコイとして使える。
大盾兵
大盾を持った亡者を五匹召喚する。火力は皆無だが兎に角場持ちが素晴らしく、五体それぞれが行動して注意を引くためデコイとして非常に優秀。
細かいUI、UX面
マップ周りで結構気になるところが多い。例えばマップはセレクトボタンで開くのだが、閉じるのはセレクトボタンではなくBボタンである。マップでセレクトをもう一度押すとヘルプが出る。
これはメニュー画面における共通のUXなのでダメだとは言わないが、筆者は今でもよく間違える。
また、マップ上で直接祝福を選択しようとしてカーソルを合わせた際、微妙にずれててピンを建ててしまうことも多かった。マップに建てたピンを一覧する機能がないのも問題で、消したいピンをマップ上から自力で探し出して選択して消さねばならない。
やや技量、知恵、神秘寄りのバランス
筋信武器が手に入るのが遅い(八つ当たり)。
筆者は最初にツリーガードをぶっ倒したときに貰った黄金のハルバードで多分七割ぐらいの時間を過ごしたと思う。筋力武器、信仰武器ともにやや不遇。
信仰の中で雷の槍が強いのだが、技量補正っぽい?
というわけでやや筋バサには不遇な面も多い。筋を捨てて黒炎投げたほうがラクチンな場面が多すぎる。毒や出血もツエーのだが神秘補正。
とはいえ、筋肉マンには本作最終奥義、二刀流特大武器ジャンプアタックが用意されているため進行も対人もどうとでもなる。
本ブログをよく見てくださる諸兄らは当然特大武器も大好きであろう(偏見)から自信をもってバッタしていただきたい。
時間がかかる
一周102時間は長かった。。。単純に大変でした。。。
でも面白くて中だるみしなかったので満足しています。
パフォーマンス上の問題
筆者は2070-SUPER程度のGPUだが、録画中たまにフレームレートが落ちるときがあった。やや最適化不足を感じる
総評
オンライン周りや細かい問題などはあるものの、生まれるべくして生まれたソウルシリーズの集大成といえる傑作である。
冒険してる感も良く、画面もきれいで、最初のボスは圧倒的な体罰指導によってチュートリアルしてくれるので初心者にもお勧めできる内容となっている。
これを機会に是非、いままでやってこなかったプレイヤーも手に取ってみてほしい。
アクションゲームが得意だという方もそうでない方も、十年以上に渡って培われた悪意によってびっくりするほど死にまくるので。
*1:SEKIROに登場する死ねない侍。死ねぬので、主人公の各種アクションの練習相手になってくれる