ロシアのメーカー Battlestate Games が開発中の超ハードコアFPS、Escape From Tarkov(以下EFT)にドハマりして2か月ほど霊圧が消えていましたが、レビューしていきます。
君もウィスキー片手に地獄を駆け抜けよう!
概要
プレイヤーは封鎖地帯タルコフに取り残されたPMC(民間軍事企業)構成員となり、他のPMCや現地のレジスタンスと物資を奪い合いながら生き抜いていく。
...とかなんとか色々書こうとも思ったのだが、こんな概要はその辺の他のブログにいっぱい書いてあるはずなので、独自色を出していこうと思います。
個人的主観と偏見に富んだレビュー
個人的にタグ付けを行うのであれば「対人あり、ロストあり、人狼要素アリのハクスラFPS」である。
装備を持った状態でマップにせーので出撃し、箱や動かなくなった敵からアイテムを漁り、マップに設定された目的地から脱出して家に帰ることが基本的な目標となる。
出撃 -> 狩り -> 帰還 -> アイテム整理 -> また出撃
の流れを繰り返すためマジでハクスラである。
参考までに、自分の倉庫やお店のスクショを張っておく。倉庫に切られたグリッド、大きさの違うアイテム、といった要素を見れば、このブログを読んでいるような諸兄らであればこれがアイテム整理ゲーであることは一目瞭然であろう。
アイテムは敵を殺して奪い取ってもいいし、マップ内には宝箱やアイテムが直接床に沸いたりするためカバンだけ背負ってコソコソ漁って逃げかえることもできる。
死と対人
そしてこのゲームは対人ゲーでもある。マップにはNPCのレジスタンスが沸くが、自分を含めて4人~10数人せーので人間が沸く。当然、人間は撃たれると死ぬ。
死ぬと持っているアイテムと装備は全て失うことになる。同じマップにもう一度入るチャンスはない為、取り返すチャンスはほぼない。(これについては後述)
そしてこれは当然、人間を殺すことでそいつの物資を奪い取れることをも意味する。
フル装備で固めて蹂躙してもいいし、カバン背負って漁りに来た初心者を狙撃してもいいし、出口前の草むらで30分匍匐して出待ちしてもいい。もちろん戦わずに潜伏、逃走を試みてもいい。
どれだけ漁り、人間と遭遇する前に帰るか、常に判断を迫られるため毎度ある程度の緊張感が得られる。
繰り返すが、どれだけ稼ごうが脱出できずに死んだら全ロスである。そして人は簡単に死ぬ。
持って帰って倉庫に詰めるはずだった装備が相手の懐に入るのである。キツイ。
だが待ってほしい。倉庫から持ち出した装備を失ったということはどういうことか。倉庫が空いたということである。
つまり、死ぬとまたアイテムを集めさせてもらえるのである。倉庫をパンパンにできるのである。うれしい。
そして人はまた、装備を持ち込んであるときは帰還し、ある時は死ぬだろう。そうするとまた倉庫に空きができ、またアイテムを集めさせてもらえるのである。
ハードコアな難易度
そしてこのゲームをもう一つ特徴づけているのがその難易度。FPSそのものの初心者にとっては非常に厳しい(知識量が問われる)要素が満載である。
他のFPSで見られないような特にめんどくせえユニークな部分は強調しておきます。
ちなみに前述した「死んだら全ロス」を除いてもこの難易度です。
- 頭に当たったら即死。胸も1~2発で死ぬ
- かなりいいアーマーを着ていても本気装備の相手だと大体胸に3~5発ぐらいで死ぬ
- そもそも頭に当てられて死ぬ
- コンパスも現在位置表示もないため、wikiを開いておくか、マップの暗記がほぼ必須。
- 部位破壊要素があり、腕を破壊されるとエイムがプルプルし、足を破壊されると走れなくなる
- HP以外に水分とエネルギーと腕のスタミナと足のスタミナと所持重量を管理しなければならない
- 武器のカスタムが非常に細かくできるが難しい。特にM4系列はヤバい
- バレルの長さやストックの有無、タクティカルライトやスコープの位置、数まで決められる
- ピカティニーレール、M-LOKなどといった規格に対する慣れが求められる
- 様々なYoutuberがおススメカスタムを動画にするくらいバリエーションが豊富
- 実在する銃がいっぱい出てくるが、型番のちょっと違うよく似た武器が出てきて難しい
- 具体的にはAKとその派生形だけで18種類出てくる(ロシアのゲームだから)
- 銃にあったマガジンを買ってきて、銃にあっている弾を買ってきて、自分でマガジンに詰めて持っていく
- 骨折に添え木、出血に包帯、鎮痛剤接種など、適切な治療を該当箇所に、適切な医療品を持ち込むか拾うかして施さなければならない
- NPCの敵が強い。慣れたころに油断して死ぬ
- 耳はやや悪いが目が非常によく、遠くからこちらを発見し次第襲ってくる
- 人間に比べればはるかにお粗末だが遮蔽を取る、しゃがむなどの行動をとる
- エイム精度はよく、短時間で仕留めなければ死ぬ
- 親切なUIなどはない為、パーティを組んでちょっとでもはぐれると敵か味方かわからなくなる
- フレンドリーファイアと跳弾があるため稀に味方をやってしまったりする
- ゲームが開発中であるため、バグったり、プチフリしたり、ラグったりして死ぬ
だいたい纏められたと思う。これらの障害を乗り越えて我々は生き抜かねばならない。
救済
前述した要素はあまりにハードコアで難しい。しかしあまりにも難しいが、それが楽しい。
しかしこれだけだとただのマゾ豚であるため、いくつかやさしいと思える要素を紹介していこう。
SCAV(レジスタンス)出撃
10分程度のクールダウンを挟む必要があるが、現地のレジスタンスとして出撃することができる。(恐らく雇用している)
自分とは全く別のキャラクターとしてランダムな名前をと装備を与えられ、プレイヤーPMCが沸いた後ある程度間をおいてマップに乱入する。
- SCAV出撃で持ち帰ったものもすべて自分のものになる
- SCAV出撃した場合、現地のSCAVとは中立であり、こちらが攻撃するまで原則敵対されない
- SCAVはランダムに初期装備が与えられ、それを持ち返った場合はそれも自分のものになる
- SCAVはPMCとは異なる脱出地点が設定され、やや離脱しやすい
といったメリットがある。コストが一切かからないためSCAVで帰還さえしていれば少額ずつでも資産は溜まっていく。一方で装備がランダムでショボい場合もあり、ガチのPMCとやりあうのは厳しいだろう。
失うものがない為マップを覚えたり、ワンチャン狙って漁夫りに行ったりと、普段とは違うプレイングも行える。
ただし、マップに沸いているSCAVの中には、自分と同じく人間が操作するPCSCAVが紛れ込んでいる可能性があることは常に気に留めておかねばならない。
SCAV同士は中立である為、逆を言えば最初の一発はこちらが確実に先制攻撃できる = 頭を撃ってほぼ確実に装備が奪えるということである。
目の前で無防備に棒立ちしているSCAV、彼は無害なNPCSCAVなのだろうか、それとも全く同じことを考えている人間なのだろうか。彼の屈伸運動は何を意味するのだろうか。
保険システム
アイテムは死ぬと全ロスするが、出撃前に保険を掛けることにより、ロストした装備が戻ってくる可能性がある。
具体的には死んだり捨てたりしてマップに落ちた装備に保険がかかっていた場合、それが誰かに拾われてマップ外に持ち出されなかった場合は戻ってくる。(制限時間があり、一定時間で必ずマッチが終わる)
人間に殺された場合、いい装備だったらまず確実に奪われるが、そいつが死ぬか、より良い装備を見つけた際に奪われた武器を捨てるかといった状況はある。
また殺されずとも
- カバンがいっぱいになったけど今見つけた武器を持って帰りたい
- 弾が切れてただの重りになった
- なんだか死ぬ感じがしてめっちゃ怖くなってきた
といったようなときには、草むらや暗がりに装備を投げ捨てるという判断もある。誰にも拾われなければ戻ってくる。
ポーチシステム
アイテムは死ぬと全ロスするが(n回目)PMCは死んでも絶対にロストしない小さな入れ物を持っており、この中に入れたアイテムは死んでも持って帰れる。
高額なアイテムを入れておくのに使える。課金すると少しだけ大きくできるがスペースは小さく、アイテムの取捨選択は必須。
隠れ家
隠れ家でアイテムをクラフトしたり、シューティングレンジで射撃練習ができたりする。
シューティングレンジでは弾消費無しで練習できるので、不安な場合や新しくカスタムした銃を試すのにちょうどいい。
隠れ家は持ち返った資材で拡張でき、最終的には医療品や嗜好品の生成、弾丸の調達、アイテムを買い占めてマーケットに転売して荒稼ぎする、ソーラーパネルと自家発電で得られた電力を50枚のグラボに叩き込んでビットコインを掘って不労所得を得る、などとっても楽しい遊びができるようになる。
はて、我々はタルコフからの脱出を目指していたはずだが……?
まとめ
クッソおもろい時間溶けるこれはいまのうちにでもやっといたほうがいい。
おまけ
マン
斧マン(Hatchling)
ポーチの中に入れたアイテム(と近接装備)はロストしないため、装備を何も持たず(近接装備だけ持って)レアアイテムが沸く可能性がある場所にガンダッシュする戦略。
一切のリスクなくワンチャンでお金が稼げる。装備を着込んで出撃したPMCにとってはNPCSCAVよりも旨味がない邪魔者でありよく虐められる。運営からも嫌われている。
しかし納品系クエストをこなす際などには便利な存在であり、金もなくSCAV出撃も待ち状態の初心者にとってはマップ探索や金策などができる貴重なシステムである。
モシンマン
ワンチャンの体現者。モシンというスナイパーライフルが初期から購入できる。(スコープは拾うかちょっと待たないと買えないけど)
これに一番安く購入できる弾を装填して持って行って頭をぶち抜くだけでガチ装備一式が手に入る(可能性もある)夢のような装備である。
というかモシンの一番安い弾をまともに防ぐことができるヘルメットが全25種類中2個しかないためそれ以外のやつは全員ワンチャンあり得る。
またヘルメットのカスタム次第では目や耳といった部分が露出していることもあるためつまりワンチャンあり得る。
とある事情によりもし諸兄らがこのゲームにハマって長く遊ぶことになった場合必ず使うことになる装備なので慣れておくといいことがあるかもしれない。
逆にあなたがモシンマンを発見した場合、常に即死の危険があるため迅速に排除する必要がある。斧マンだと思って屈伸している場合ではない。
ハンターマン
VPO-101、通称Hunterというライフルを持ってワンチャンスに賭けてくる。同じワンチャン狙いのモシンマン以上に危険な存在。
DMRの中でも特に安く本体が早期に入手できるため、SRの弾(最高クラスのダメージと貫通力)を秒間10連射できる爆発力で以ってガチ装備の相手すら瞬殺可能な力を持つ。まさにハンターである。
モシンと違って冗談抜きに一瞬で死ぬため先制攻撃を受けると大変危険。
結局銃とは弾を発射するための筒であり、弾の性能が全てであるタルコフをある意味象徴する武器。
高い銃で安い弾を使うやつはザコだが、安い銃で高い弾を使うやつは危ない、これは真理である。
事故要因の一種であり殺されると大変腹立たしいので、角待ちや草むらにビクビクしながら歩いて行こう。マガジンに10発までしか入らないため継戦能力は皆無。